第5回 医師にとって開業とは(3)
医師にとって開業することは、人生で一番大きな事業だと思います。その開業にあたって成功するかどうかの二つの要素を前回お話ししました。一つは先生が開業に向く人柄かどうか。もう一つは、本気で開業を志しているかどうかです。
開業を開始すると、後戻りが殆ど出来ませんので、事前に問題点を整理しておく必要があります。分かった上で開始するのと、「こんな筈じゃなかった」と後悔するのでは、その後の人生に大きく影響します。
先輩からの部分的な情報をもとに検討し開業を志すより、きちんと全体像を把握して開業を決意されるほうが、より気が入るし、少々のことでたじろいだりはしないで済みます。
開業の準備作業は、開業後の状況を想定した作業ですから、建設会社などの開業支援では、おのずと限界があります。永いスタンスで考える事業計画と、建設を目的とする事業計画では、当然内容が違ってきます。
当社の場合、医療事業のコンサルという考え方のもとに開業支援をしていきますので、最低でも事業が成功するまでお付き合いをします。医療事業を展開するとき、当社の役割は経営の良きパートナーで、良きアドバイザーを目指しています。
永いお付き合いをする前提ですので、当社の方もパートナーとしての先生方を選ばせて頂いています。関わる以上責任があるのと、永い期間が双方楽しく過ごせるかどうか、そしてコンサルタントの話を聞いていただけるかどうかを判断基準にしています。
医師は技術者であり科学者ですので、社会性が希薄な方も多いように見受けられます。「脇が甘い」先生が多いと思います。その「脇の甘さ」に群がる人たちから、ガードしつつ、しっかり勉強していただく為のお手伝いを致します。
「俺はそんなものは必要ない」と考えておられる先生とは、私どももお付き合いをする必要はないと考えています。ただ経営コンサルタントと称して、医師の「脇の甘さ」を食い物にする業者や、出来もしないのに「医業経営コンサルタント」を標榜する業者がいる限り、先生方が警戒されるのは無理からぬことであり、コンサルを標榜する側が自浄作用を働かせていかないといけないと考えます。